考え方のクセよ。認知バイアスを知れば、人間の考え方のクセが分かり、より良い判断ができるようになるのよ[/say]
Dr. J. Marshall Shepherdさんってどんな人?
ドクター ジェイ マーシャル シェファードさんは国際的に有名な気象学博士で、アメリカのジョージア大学の著名な教授です。シェファードさんは地理学や大気科学にも精通しており、物理気象学のエキスパートです。肩書きが多すぎるので気になる方はTED内のこちらで確認してみて下さい。
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プレゼンのあらすじ
科学に関する質問を科学者と大衆に行うとその答えには大きな差がある。 例えば「人間は気候変動(の悪化)の原因か?」という質問に対し、科学者の87%がYesと答えるが大衆でYesと答えるのは50%だけである。 この違いは「偏見(認知のバイアス)」から来るものである。例えば代用的な認知バイアスには次の3つがある。
3つの認知バイアス
confirmation bias(確証バイアス)
the Dunning-Kruger effect(ダニング=クルーガー効果)
cognitive dissonance(認知的不協和)
confirmation bias(確証バイアス)とは仮説や信念を検証する際、自分が既に信じている情報を積極的に集め、反例などを無視する傾向のこと。
the Dunning-Kruger effect(ダニング=クルーガー効果)とは人は自己評価を間違ってしまう傾向にあるということを示した理論。
cognitive dissonance(認知的不協和)とは諸説あるが、新しい情報が自分の中の既存のものと違った時に起こる不快感を表す。(そして人はその不快感を解消するために別の理屈をでっちあげたりする”酸っぱい葡萄”の話は有名)
こういった認知のバイアスが人間の認識に大きな影響を与えているために、人の決定というのは時に命を脅かす。
例えば現代の科学では天気の予想はかなり正確だが(数日後の降雨や降雪の予想)人は経験していないことをうまく想像できないため、認知を歪めてしまう。
認知の歪みを正すには、自らの認知バイアスの棚卸しを行うことが必要である。
例えば、あなたが信じている物事の情報源は何か?過去の教育は?政治的な見解は?などである。
このような認知の歪みを正していくことは、自らの命を守ることに繋がるのである。
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気候と天気は違うという話は非常に示唆に富んでいると思います。
シェファードさん曰く、天気とは人間でいう所のmood(気分)であり、気候とはpersonality(人格)であると言います。
例えば、今日気分がすぐれなくても、それはあなたの全人格を表している訳ではありません。
人間であれば、気分と人格は別のものとして考えることが出来ます。
しかしこれが気候と天気となると、認知の歪みから天気が悪い=気候変動と短絡的に考えてしまう人が少くないそうです。
プレゼンの中では深く語られてはいませんが、ダニング=クルーガー効果は興味深い認知バイアスです。
ダニング=クルーガー効果とは「人は自己評価を誤る」というもので、特に能力の低い人間ほど自分の能力を過大に評価する傾向があるという認知バイアスです。
英語の勉強も、勉強をし始めると自分がどれくらい英語が出来ないかが分かってきて、実力に見合った評価ができるようになりませんか?
つまり勉強する前というのは、自らの英語能力の評価にダニング=クルーガー効果が働いていた可能性があります。
自信がある事は別にいい事なのですが、認知バイアスの怖いところは「判断ミス」に繋がってしまう可能性があることです。
シェファードさんのプレゼンでも雨量や降雪量を見誤ったことで、大きな自然災害にあった人がいることが説明されていました。
それを回避することも出来たにも関わらず、認知のバイアスは私たちの「判断ミス」を誘発します。
そういう意味で、我々も認知バイアスを知っておくことで、ビジネスでの判断ミスを減らすことができるかもしれません。
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プレゼンの感想
