タフな交渉になればなるほど、双方とも譲らずに会話が行き詰る…そんな経験はありませんか?
私もクライアントとの交渉の場面で何度かそういう経験があり非常に苦労したことがあります。
もちろん困難な状況を打開する魔法の言葉などは存在しないのですが、言い回しやコツを掴めば、黙り込んで時間だけが過ぎる、なんてことは無くなります。
もしあなたが海外のクライアントを持つ営業であれば、本文の例文やフレーズが次の交渉で役立つでしょう。
仕切り直すは英語で「unwind a deal」
- Why don’t you unwind this deal and make a fresh start all over again?
この取引き仕切り直して、もう一度新しくやり直しませんか? - Making a fresh start might be needed for the deal.
新しく始めることがこの取引のために必要かもしれません。
「仕切り直しましょう」と言いたい時の例文です。
1)で使われている表現「unwind a deal」 の直訳は「取引きを解きほぐす」です。転じて「仕切り直す」の意味で使えます。
2)で使われている表現「make a fresh start」は 「新たに始める」という意味で、話を仕切り直したい時に使えます。
人間は時間をかけたことに執着する傾向があります。これをサンクコストバイアスと言います。長期化した交渉ではサンクバイアスコストがかかりやすいですが、もし交渉自体が行き詰まっているなら同じことを考えても時間の無駄です。
それに案外、欧米人は合理的なので議論を最初からやり直すことに柔軟だったりします。ここで紹介した例文などを使って行き詰まった交渉をリードみてください。
白紙に戻すは英語で「go back to square one」
- The price negotiation fall through so that we must go back to square one.
価格交渉が失敗に終わるのであれば、私たちは振り出しに戻らなければいけない。 - We have to discuss the contract from scratch again.
私たちは契約についてまた最初から議論しなければならない。
1)の例文、go back to square one は「振り出しに戻す」という意味の定番のイディオムです。その語源は、卓上ゲームのスタート地点などからきているようです。さらにfall through 「失敗に終わる」はビジネスの現場でもよく出てくる表現です。
2)の例文、from scratch は「最初から」で日常会話でも頻出のイディオムです。もともとscratch の意味は「引っかく」ですが、from scratchで「最初から」という意味になった由来は二つあります。
一つはケーキなどを一から作る時に材料をかき混ぜる(scratch)ことから由来しているという説。もう一つは何かを使って地面を引っかいて(scratch)スタート線を引くことから由来していると言う説です。
限界を超えるは英語で「push the envelope」
- You asked us to push the envelope of the quotation but it is quite difficult for us to achieve.
あなたは限界を超える見積もり要望されましたが、それは達成するのはかなり難しいでしょう。
厳しい交渉が長引くと「さっさと決めましょうよ」なんて言いたくなりますが、そこはグッと我慢が必要です。まずはこんな風にジャブ打ちしてみましょう。
envelope は封筒という意味と外被(外側の皮)という意味があります。push the envelope で「限界を超える」という意味になります。皮を破って外に出るという意味合いから「限界を超える」という意味の慣用句です。
まとめ
タフな交渉で会話が行き詰った時に使える表現を紹介しました。困難な交渉で行き詰まった時など、ぜひ本文を思い出してみてください。
- 限界を超える「push the envelope」
- 仕切り直す「unwind a deal」
- 白紙に戻す「go back to square one」