ビジネス英語における交渉は苦手意識がある人も多いのではないだろうか。
交渉という、行為自体が難しいだけでなく、英語だと混乱する部分も確かにあるだろう。ただポイントを抑えれば自然と結果が出てくるのも交渉の醍醐味。
見積もりや価格交渉に関する交渉で特に重要なポイントは以下である。
- 前向きさ
- 丁寧さ
- 時間設定
- 空間設定
- 過去と未来の整理
例文を交えて説明していきたい。
ビジネス英語のメールは丁寧で前向きなトーンが基本
ビジネスの交渉においては攻撃的な態度はNGだ。
攻撃的な態度がNGな理由は、結局はそれが自分たちを守ることに繋がるからである。ネット社会になったせいもあり悪い情報はすぐに拡散する。ネガティブな情報はすぐに拡散し、あたなに致命的なダメージを与えるだろう。
メールでの交渉であればなおさらである。文章は受け手の解釈によっても印象は違ってくる。
攻撃的な態度で過去に成功した人はいたかもしれないが、今後そのような成功体験は淘汰されていくだろう。
前向きなトーンを演出するための英語例文をいくつか紹介したい。
丁寧な印象を作る表現
Thank you for your proposal.
提案してくれてありがとう。
努力を褒める表現
- We deeply appreciate your effort that you have created for our company.
あなたが生み出した当社への貢献に深く感謝します。
理解を示す表現
- We sincerely understand that you have spent much time and resources to prepare this proposal.
あなたが費やしてくれた時間とこの提案を準備するのにかかった労力について心から理解しています。
価値を認める
- My team reviewed your proposal, and we found that it was valuable for us.
私達のチームはあなたの提案を確認し、我々にとって価値があると分かりました。
ビジネスで前向きな態度であることは、欧米のプロフェッショナルの間では最低限のマナーであり一つのコミュニケーション戦術でもある。
ビジネス英語のメールには期限と制限を設定する
交渉で重要なのは時間の期限を設けることである。
いつまでにこの交渉を決着しないといけないということを最初に表明することが肝要だ。
交渉の戦術の一つとして時間を稼ぐというのが存在するがそれをさせないことが重要ということでもある。
また制限とは空間の制限を指す。
例えば、打ち合わせなどを設定しそこで課題を議論する。
つまり空間的に相手を逃さないような状況を作り出すこと。
電話会議の設定などでも構わない。
課題に集中せざるを得ない状況(空間・時間)を作り出すことが大切だ。
時間の期限の表現
- I’m afraid that we must close this issue by tomorrow morning.
申し訳ありませんがこの課題を明日の朝までに決着させないといけません。
時間の制限の表現
- This negotiation must be done by the end of this week.
この交渉は今週末までに終了させないといけません。
空間の制限の表現
- Could you have face to face meeting during week 10?
第10週に対面で打合せできますでしょうか?
空間の制限の表現
- Is that possible to have a conference call with all concerns?
課題について電話会議は可能ですか?
もし仮に期限がなくてもわざと期限を設定したほうが良い。そうしないと大抵の交渉はクローズしないからだ。
ビジネス英語のメールでは過去と未来の整理を意識する
ロジカルに交渉を進めるために過去のケースは最低限まとめておきたい。
過去を調べた結果、交渉上、自分に有利だと分かれば理論武装することも可能。
過去を調べた結果、不利だと分かれば対策も考えられる。
未来の時間軸で大切なのは交渉の結果もたらされるであろう利益を整理し相手と共有すること。
過去の実績と比較して反論する
- By investigating past records, we found that your target 7% is much higher than the past average rate.
過去の履歴を見てみると、あなたのターゲットは過去の平均よりも7%高いターゲットです。
過去より良いものが欲しい時
- We would need better pricing than what you have quoted in the past proposal.
私たちは過去に提案してもらった見積もりよりも良い価格を必要としています。
将来の利益があることを伝える
- I hope you understand that we will be able to have a future benefit by offering us the attractive proposal.
私はあなたが魅力的な提案することで将来の利益を得られるのだということを理解していることを期待します。
最初の文章で使っているBy doing「~によって」は理由を示している。
またwouldやI hopeなどを使い表現を丁寧にしている。状況に合わせて活用して欲しい。